素地の厚み大きさにより異なりますが、一般に1mm以下の素地を使用する場合、素地の表面だけに釉薬を盛りつけて焼成すると、作品が冷えるときに釉薬が割れてしまいます。
これを防ぐために、素地の裏側にも釉薬を盛りつけます。
裏引きの手順には、
1.表と同時に焼成する、
2.表を焼成した後、裏引きをする、
3.裏引きをまず焼成し、表を焼成する
の3通りが有りますが、ここでは3の手順でご説明します。
作り方例:裏引きの盛り付けから焼成
※素材の銅板には指紋などの油分が付いているため、そのまま釉薬をのせると「ダマ」になって伸びにくい。
筆を使って、「脱脂液(中性洗剤を薄めた物)」で表面の油分を取り除きます。
竹ホセで、縁の方まで盛り忘れの無いように盛りつけをする。
出来るだけ均等に盛りつけをして
網に移して完全に乾燥させます
電気炉の温度は、約800℃〜840℃。
焼成時間、約1分。 釉薬が充分溶けたのを確認して、電気炉から取り出します。
※炉内温度が高温になっています。
火傷をしないように、充分に気を付けましょう。
真っ赤に焼けていますので、ここでも火傷をしないように充分気を付けましょう。
銅板の表面が黒く焦げた状態になっています。
作り方例:酸処理をする
素材が手で触れる位になったら、
10〜20%希硫酸液につけておきます。
数分間たったらピンセットで取り出します。
まだ、表面はあれているので磨き出しをします。水を入れたボールを用意して金ブラシを使って磨き出しをします。
(この写真は、参考のために木台に置いていますが、実際には希硫酸液から直接ボールに入れます。)
金ブラシで磨いていくと、銅板本来の色になっていきます。磨き残しが無いように磨きだします。